「レベルアップ」のゲームデザイン
実戦で使えるゲーム作りのテクニック
「『おもしろい』のゲームデザイン」「『ヒットする』のゲームデザイン」に続く、オライリー・ジャパンのゲームデザイン関連書籍第3弾が近日出版されます。タイトルは「『レベルアップ』のゲームデザイン」(原題:Level Up!: The Guide to Great Video Game Design)で、著者は「ゴッド・オブ・ウォー」「パックマンワールド」「マキシモ」シリーズなどでディレクターを務めた、THQのスコット・ロジャースです。
この手の海外の書籍には、学術的すぎたり、抽象的すぎたりして、いまいちピンと来ないものも多いのですが、本書は現役のゲームデザイナーが執筆しただけあって、非常にわかりやすく、実践的な内容になっています。それでも全500ページ近くあり、文字がびっしりあるので、ずっしりきますが、ユーモアあふれるイラストがたっぷり散りばめられており、楽しく読み進められます。
内容は全17章で、レベル立てになっており、読者のレベルやニーズにあわせて、必要な箇所だけ読めばいいようになっています。さらにコンティニューと称してボーナスレベルが9章用意されており、お腹いっぱいになれるでしょう。著者の経歴からわかるように、基本的にコンソールゲームのアクションゲームにおけるゲームデザインを中心に書かれたものですが、他のジャンルでも応用が利く普遍的な内容が多く含まれています。
でもって、著者の名前にどっかで聞き覚えがあるなあとググってみたら、2009年のGDCで「私がディズニーランドから学んだレベルデザインについて学んだすべて(Everything I Learned About Level Design I Learned from Disneyland)」という講演を行っており、たいへん楽しかったことを思い出しました。偶然にも拙稿でレポートしていますので、まずは講演スライドをチェックしたり、こちらの記事を読んでいただければと思います。その上で購入されたら、間違いないでしょう。おそらく期待以上の内容の書籍が手に入ります。
ちなみに監訳はスクウェア・エニックスで「キングダム・ハーツ」「ディシジア ファイナルファンタジー」などでディレクターを務めた塩川洋介氏が担当されており、その点でも間違いない一冊だと言えます。
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