シノドスセミナー 山口浩「仮想の現実と現実の仮想:Mixed Reality and Mixed Identityの時代へ」 <1月30日(土)15:00>

投稿日時 2010-01-11 19:59 | カテゴリ: Event/Seminar

 シノドスセミナー48

山口浩「仮想の現実と現実の仮想:Mixed Reality and Mixed Identityの時代へ」
 
司会 : 荻上チキ
日時 : 2010年1月30日(土)15時?17時
場所 : シノドス(田園都市線駒沢大学駅)
定員 : 7名 参観者募集中です!
費用 : 7,875円(税込)  
 
セミナー概要:コンピュータとインターネットの発達と普及により、私たちの社会は大きな変貌を遂げつつある。そうした変化が起きている最前線の1つが、いわゆる「仮想現実」の世界であろう。このことばは、最近急速に注目を集めつつあるAR(強化現実)も含め、典型的には現実空間に似せた三次元空間をコンピュータの中に創造し、それに接続された視聴覚デバイスによって情報をやりとりしたり人々が交流したりする環境や、それを提供するサービスと解されている。それ自体に異議を唱えるものではないが、仮想現実が私たちの生活に与える影響を考える際には、この捉え方は狭すぎるように思われる。
もともと私たちが社会生活を送る上で複数の「場」ないし「コミュニティ」において、複数のアイデンティティを使い分けて活動するという状況は、コンピュータやネットが登場するはるか以前から存在していた。上記のような狭い意味での「仮想現実」は、そうした数ある「場」の中の、比較的最近加わった一類型にすぎない。その意味で、たとえば「セカンドライフ」や「twitter」の中で本来の自分とは別の人格として活動したりすること自体は、その本質において最先端の行動でもなければ現実とかけ離れた浮ついたライフスタイルでもない。

しかし、それがコンピュータとネットによって媒介され、さまざまな付加要素が加わるようになることで、こうした「仮想現実」がこれまで以上に「意味のある存在」となったのも事実である。単にそうした「場」の数が増え、そこですごす時間が長くなるというだけでなく、そこで活動する人々がその活動をより重要と考えるようになり、これまでほとんど「余暇」として捨象されてきた活動が独自の意味をもつものに変わってきたということは注目に値する。
ここでは、こうした「仮想現実」やその周辺のサービスの普及が人々の暮らしや社会にもたらす可能性やそれによる影響などについて、2つのペア、すなわち「仮想の現実と現実の仮想」、および「mixed reality and mixed identity」をキーワードとして考えてみる。技術的な内容ではなく、あくまで社会の中でどう使われるかといった視点である。「現実」と「妄想」の間を行き来するので、ぜひ頭を柔らかくして臨んでいただきたい。
 
山口 浩(やまぐち・ひろし)1963年生まれ。東京都立大学法学部卒業後、筑波大学大学院ビジネス科学研究科博士課程修了、博士(経営学)。専門は経営学、ファイナンス。現在、駒澤大学グローバル・メディア・スタディーズ学部准教授。著書に『リスクの正体!賢いリスクとのつきあい方』(バジリコ)、ほか。 
 
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