IGDA日本アカデミック・ブログに、S.Yamaneさんにより
CEDEC2010アカデミック・プレビュー: 注目点と注意点
というポストが行われました。
引用: 今年のCEDEC2010でもアカデミックセッションが組まれており,ウェブサイトから発表予定を見ることができる.個人的な印象では,これまでの流れを継続しながらも組織的に大がかりな公募を行ったことで学術界の人口比を反映した形になっている.(研究者人口の多い分野で若手の発表が増えた一方で,たとえばゲームライティングやデジタルヒューマニティーズといった人文系のセッションは下火になったように見える.)
引用:アカデミックな研究者に対して,発表する時の注意点をおさらいしておきたい.北米でもGDC(ゲーム開発者会議)など産業界のイベントで大学の研究者が発表しているが,ゲーム研究の発表は開発者にはあまり評判がよくなかった.そこでなぜアカデミックなゲーム研究者の発表の評判が悪いのかを論じたのが,2006年11月に Gamasutra に掲載されたアカデミックなゲーム研究者への公開書簡「We're Not Listening: An Open Letter to Academic Game Researchers」だ.
おもしろいのが、その対策としての6カ条
- ルールその1: ROI (Return On Investment)を理解する
- ルールその2: 日本語で話せ
- ルールその3: より小さく,早く,安く
- ルールその4: 分析するのではなく処方箋を
- ルールその5: 百聞は一見にしかず
- ルールその6: クライアントはつねに正しい
引用:現在の産学連携の議論にはこうした背景があるのだが,日本のゲーム産業はもともと独力で発展してきた産業だった(むしろ,外部資源に頼らなかったから成功したのだという見方も根強い).このため,国内ゲーム産業は1990年代以降の産学連携戦略の議論はスルーしたまま現在に至っており,ゲーム研究投資も各企業によってまちまちになっている.
引用:ただし,これはゲーム産業の意識が遅れていることを意味しているのではない.むしろ,ゲーム産業とゲーム研究者のどちらも戦後の研究投資のモデルに縛られていないことも意味している.いまは国内ゲーム産業が独自のあらたな研究投資モデルを準備する時期なのだろう.
読み応えのある内容ですので、ぜひ原文をお読みください。
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