The Khronos Group、OpenCL 1.2を発表

投稿日時 2011-11-16 12:47 | カテゴリ: Products/Release

The Khronos Group、OpenCL 1.2を発表


ヘテロジニアス並列コンピューティング向けクロスプラットフォームを展開するために、業界リーダー各社が協力OpenCL 1.1への後方互換性を保持、OpenCL 1.2コンフォーマンステストを同時公開

2011年11月16日(米国時間11月15日) オープンでロイヤリティ無料の業界標準API仕様の策定と開発の支援を行うThe Khronos Group (クロノス・グループ、以下: クロノス)は、 CPU/GPU及び他のプロセッサを搭載したクロスプラットフォームに対応した、汎用の並列プログラミング環境向けのオープンなロイヤリティ無料API仕様OpenCLの最新バージョン「OpenCL 1.2」を公開しました。OpenCL 1.1発表から18ヵ月後の更新となったOpenCL 1.2は、30以上の業界を代表する企業各社が仕様策定に協力し、後方互換性を保持しながら並列プログラミングを実現するために、さまざまな機能拡張が行われています。また、クロノスはクロスプラットフォーム向けのアプリケーション開発のためにOpenCL 1.2の採用が確実に行われるように、OpenCLコンフォーマンステストの内容を強化しました。OpenCL 1.2の仕様ならびにリファレンスカードは、本日よりクロノスの公式サイトで公開しています(www.khronos.org/opencl/)。

クロノス代表でNVIDIA社モバイルコンテンツ担当バイス・プレジデントを務めるニール・トレベットは次のようにコメントしています。「OpenCLワーキンググループは、さまざまベンダーをサポートする、オープンな標準の元でのヘテロジニアス・コンピューティング向けに最高かつ迅速な機能を提供するために、デベロッパやミドルウェア分野からのフィードバックに注意深く耳を傾けました。OpenCLワーキンググループ参加企業は、モバイルから組込みといった業界まで拡大しており、現在ではOpenCLを使用したFPGAのような革新的な製品の誕生をもたらしています。」

OpenCL 1.2は、並列コンピューティングの柔軟さや機能・パフォーマンスの向上を実現する、多くの機能拡張を行いました。


・デバイス・パーティション:個別の計算ユニットに直接作業のコントロール、高優先度/レイテンシセンシティブなタスクを行うデバイスの一部分、あるいはキャッシュのような共有されたハードウェアリソース予約のために、アプリケーションがデバイスをサブデバイスにパーティションすることが可能。
・コンピレーション及びオブジェクトリンクの分割:他のプログラムへのリンクのために、従来のコンパイラがOpenCLプログラムのライブラリ作成を可能とする機能及び柔軟性を提供。
・イメージサポートの拡張:1Dイメージ及び1D/2Dイメージアレイ向けのサポートを追加。OpenGLシェアエクステンションによって、OpenGL 1Dテクスチャ及び1D/2DテクスチャアレイからOpenCLイメージの作成が可能。
・ビデオエンコーダ/デコーダやデジタル・シグナル・プロセッサ(DSP)といった、特定または非プログラムハードウェア及び関連するファームウェアの代わりに、ビルトインカーネルがOpenCLフレームワークによってこれらのカスタムデバイスをドライブ可能。
・DX9とのメディア・サーフェス・シェア:OpenCLとDirectX9またはDXVAメディアサーフェス間の効果的なシェアが可能。
・DX11とのサーフェス・シェア:OpenCLとDirectX11サーフェス間のシームレスなシェアを実現。

会員企業各社のコメント
AMD、Fusion体験プログラムを担当するバイス・プレジデント Manju Hegde氏
「AMDは、デベロッパの自由と創造性を支援するOpenCL 1.2のような業界標準のプロモーションを行なっています。OpenCLワーキンググループを最も積極的に支援する企業の1社として、AMDのAPU(Accelerated Processing Units)及びGPUは、デベロッパ及びエンドユーザに対してOpenCLの潜在能力を活用する完全なプラットフォームです。」

ARMプロセッサ事業部、コンピュート・サブシステム担当バイス・プレジデント James McNiven氏
OpenCLの進化の中でのクロノスのパートナー各社との共同作業を通して、私たちはOpenCL 1.2の発表を大変うれしく思います。私たちはエネルギーに配慮したヘテロジニアスなコンピューティングサブシステムは、業界のコラボレーションと標準仕様によってのみ実現するものだと確信しています。ARMは、当社のCPU/GPU技術を通してOpenCLへのサポートをお約束するとともに、パートナーの皆さまのARM Mali GPU及びCortexプロセッサ技術を活用した高性能コンピューティングシステムの提供を支援します。

Intelソフトウェア/・サービス・グループ、デベロッパ製品事業担当バイス・プレジデント兼ゼネラルマネージャBill Savage氏
「IntelはOpenCLの進化に勇気づけられると共に、OpenCLアドプターであり、OpenCL 1.2発表に尽力した企業として大変誇りに思います。OpenCL 1.2は既存及び将来の当社プラットフォームを対象としているデベロッパに、ソフトウェアデザイン上のより優れたパフォーマンスと柔軟性を約束します。」

株式会社フィックスターズ代表取締役社長/CEO 三木 聡氏
「ソフトウェア開発者にとって、多様化するマルチコアプラットフォームにおいて統一のプログラミングインターフェースは、生産性をあげるために欠かせないものとなってきました。今回、OpenCL1.2が策定され、益々柔軟にマルチコアプログラミングが可能になったことを非常に嬉しく思います。多くのハードウェアベンダーがこの新しい規格をサポートしてくれることにより、益々マルチコアのイノベーションが進むことを期待しています。」

Supercomputing 2011でのOpenCL セッション:11月14日?18日
OpenCL BOF “Birds of a Feather”ミーティングが11月16日(水)の5:30?7:00pmにRoom TCC 101で開催されます(日時は米国時間)。

Khronos Groupについて
The Khronos Groupは、会員企業の会費によって運営されるコンソーシアムで、さまざまなプラットフォームやデバイス上で、ダイナミックなメディア・オーサリング/プレーバックを可能とする、ハードウェア/ソフトウェア製品市場の成長のため、OpenGL, OpenGL ES, WebGL, WebCL, OpenCL, OpenMAX, OpenVG, OpenSL ES, OpenKODE, StreamInput及びCOLLADAといった、オープンでロイヤリティ無料の業界標準API開発の支援を行っています。会員企業数は約120社(2011年10月現在)。会員企業はKhronos API仕様開発に参画できるほか、一般公開前のさまざまな段階での投票、仕様ドラフトや順応テスト向けのアーリーアクセスを通して、最先端3Dグラフィックス・プラットフォームやアプリケーションの提供を推進可能です。最新情報はWebサイトで公開されています(www.khronos.org )。

###

Khronos, StreamInput, WebGL, COLLADA, OpenKODE, OpenVG, OpenWF, OpenSL ES, OpenMAX, OpenMAX AL, OpenMAX IL and OpenMAX DL are trademarks and WebCL is a certification mark of the Khronos Group Inc.  OpenCL is a trademark of Apple Inc. and OpenGL and OpenML are registered trademarks and the OpenGL ES and OpenGL SC logos are trademarks of Silicon Graphics International used under license by Khronos.  All other product names, trademarks, and/or company names are used solely for identification and belong to their respective owners.

メディアの方のお問合せ先
ミアキス・アソシエイツ 河西
Email: khronos@miacis.com

ユーザ・読者の方のお問合せ先
クロノス・グループ 日本事務所
www.khronos.org www.khronos.jp





IGDA Japan chapterにて更に多くのニュース記事をよむことができます
https://old2014.igda.jp

このニュース記事が掲載されているURL:
https://old2014.igda.jp/modules/bulletin/index.php?page=article&storyid=594