Khronos Group、OpenGL 3.2を発表 12ヵ月で3回目のバージョンアップ

投稿日時 2009-08-04 03:05 | カテゴリ: Products/Release

Khronos Group、OpenGL 3.2を発表
12ヵ月で3回目のバージョンアップ
 
2009年8月4日(米国時間8月3日) - 米ニューオーリンズ、SIGGRAH 2009 - オープンでロイヤリティ無料の業界標準API仕様の策定と開発の支援を行うKhronos(TM)Group (クロノス・グループ、以下: クロノス)は、3Dグラフィックス向けクロスプラットフォームに対応した、ロイヤリティ無料のAPI「OpenGL(R)」の最新バージョンOpenGL 3.2を発表しました。今回の発表は、2008年8月にOpenGL 3の発表以来、12ヵ月で3回目のバージョンアップです。これは、さまざまなOSやプラットフォーム上で、グラフィックス・デベロッパーが最先端のGPU機能に容易にアクセスできるよう、OpenGLが進化し続けることを示しています。OpenGL 3.2のダウンロードは下記URLで可能です
 
OpenGL 3.2は、性能向上のための機能追加、描画品質の向上、ジオメトリ演算の高速化、Direct3Dアプリケーションの容易な移植性に対応しました。さらに、OpenGL及びOpenCL, OpenGL ES, WebGLといった、クロノスが策定するAPIにおいて、多くのアプリケーションはじめ市場、製品群を拡張する強力なグラフィックス開発とコンピューティング・エコシステムの創造に、相乗効果をもたらします。
 
クロノスのOpenGL ARB (Architecture Review Board) ワーキンググループは、今回OpenGLシェーディング・ランゲージの最新バージョンとなるGLSL 1.5と、新しいアプリケーション向けのコア・プロファイルまたは既存のワークステーション・アプリケーション向けの、従来のOpenGLとのバックワード・コンパチビリティを提供する、コンパチビリティ・プロファイルのどちらかを、デベロッパが選択できるように、OpenGL 3.2内に二つのプロファイルを定義しました。
 
OpenGL 3.2は、さまざまな最新のGPU上で稼動するようデザインされ、アプリケーション・デベロッパに次のような多くの恩恵をもたらします。
 
・CPUとGPU間で共有されたリソースを待つアイドリングを避けるために、バーテックス・アレイ及びフェンス・シンク・オブジェクトのパフォーマンスを向上。
・OpenGLコア内のジオメトリ・シェーダーを含む、パイプライン・プログラマビリティの改善。
・シェーダーのテクスチャ・サンプルへのダイレクト処理により、ブーストしたキューブマップの描画品質や、マルチサンプリング・レンダリングへの、より柔軟な対応が可能。
 
さらに、クロノスはOpenGL経由でアクセスする最新のGPUが搭載した、最先端グラフィックス機能の活用を可能とする5つの新ARBエクステンションを定義しました。これらのエクステンションは将来その機能が評価され、幅広く採用されたとき、OpenGLの将来バージョンのコアとして搭載される予定です。
 
今回の発表について、Jon Peddie Research代表のDr. Jon Peddieはこうコメントしています。「クロノスはOpenGL ARBに真の活動の場を提供しています。
ARBは、グラフィックス革新のためのプラットフォームに、OpenGLを完全に活用できるようにするばかりでなく、関連する業界標準を一貫して開発することでOpenGLの長所を活用できるという相乗効果を生み出しています。OpenGLは、モバイル・グラフィックス向けのリッチなグラフィックスの基盤であり、それはWebでもそうなりつつあります。」
 
AMD社プロフェッショナル・グラフィックス部門担当シニア・ディレクタのJanet Matsuda氏はこうコメントしています。「AMDはOpenGL APIのバージョンアップに関与できるOpenGL ARBに参加していることを、とてもうれしく思います。過去12ヵ月で3度のバージョンアップが行われたことは、驚くべき実績です。」
 
OpenGL ARBのチェアで、NVIDIA社エンジニアリング・マネージャのBarthold Lichtenbeltは、こうコメントしています。「NVIDIAは、OpenGLの迅速な改良と採用に向けたあらゆる支援を行っています。今回、OpenGL 3.2の仕様発表と同時にベータ版ドライバがリリースできたことを、とてもうれしく思います。
OpenGL ARBは、OpenGLコードへの投資や作業を保護しながら、最高水準のグラフィックス機能提供を約束します。私たちは、デベロッパのフィードバックを注意深く聞くと共に、業界の要求に合致するために、OpenGLの迅速な進化に取り組み続けます。」
 
クロノスのプレジデントで、NVIDIA社バイス・プレジデントのNeil Trevettはこうコメントしています。「私たちのOpenGL 3の戦略は、発展的な更新を続けることで、OpenGLに革新的な変化をもたらすことです。OpenGL 3.0は、OpenGLがさまざまな市場の要求に応えることのできるメカニズムを設定しました。
OpenGL 3.1は、APIを整備するために、新たな機能を追加しながら、そのメカニズムを活用しました。今回、私たちは従来のOpenGLデベロッパをはじめ、新たなデベロッパ双方の要求に応えるために、最先端のGPU機能を十二分に活用できるOpenGL 3.2を発表しました。」
 
OpenGLについて
OpenGL(R)は、デスクトップ2D/3Dグラフィックスに業界内でもっとも幅広く採用されているAPIで、ウィンドウ・システム、OSに依存することはなく、またネットワーク・トランスペアレントであり、さまざまなプラットフォーム向けアプリケーションの開発に貢献します。OpenGLは、PCソフトウェア、ワークステーション、スーパーコンピューティング・ハードウェアのデベロッパが、CAD、コンテンツ制作、エネルギー、エンターテイメント、ゲーム開発、製造、医療およびバーチャルリアルティといった市場向けに高性能グラフィックス・ソフトウェア・アプリケーションの制作を可能とします。
 
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Khronos Groupについて
The Khronos(TM) Groupは、会員企業の会費によって運営されるコンソーシアムで、さまざまなプラットフォームやデバイス上で、ダイナミックなメディア・オーサリング/プレーバックを可能とする、ハードウェア/ソフトウェア製品市場の成長のため、OpenGL(R)、 OpenGL ES(TM)、OpenKODE(TM)、OpenMAX(TM)、OpenVG(TM)、OpenSL ES(TM)、OpenML(TM)、COLLADA(TM)、OpenCL(TM)といった、オープンでロイヤリティ無料の業界標準API開発の支援を行っています。会員企業はKhronos API仕様開発に参画できるほか、一般公開前のさまざまな段階での投票、仕様ドラフトや順応テスト向けのアーリーアクセスを通して、最先端3Dグラフィックス・プラットフォームやアプリケーションの提供を推進可能です。最新情報はWebサイトで公開されています( www.khronos.org )。
 
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