プログラミング
PROGRAMMING

 
新たなプラットフォームが登場し、既存プラットフォームが進化を遂げる今日、ユーザーの、そしてメディアの耳目を集めるゲームを制作しようとするプログラマが直面する課題は、日ごとに大きくなっています。プログラミングトラックではこれらの課題に焦点を当てると共に、成熟期を迎えたゲーム機、新型携帯機、超競争型の販売環境、ゲームに求められる完成度の高騰など、次世代/現世代機タイトルの開発にまつわる好機についても扱います。
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World of Warcraft でのネットワークのシリアライゼーションとルーティング
Network Serialization and Routing in World of Warcraft
 
講演者:Joe Rumsey  (Principal Software Engineer, Blizzard Entertainment)
 
<直前になって、発表になった追加セッションです>
 

「Outernauts」:AAAコンシューマゲームからAAAのFlashゲームへ
Outernauts: From AAA Console to AAA Flash Games
 
講演者:Joe Valenzuela (Insomniac Games)
 
概要:Insomniac GamesはFlashゲームの最新作「Outernauts」を先日リリースしました。「Outernauts」のリリースはInsomniacにとって初めてとなる要素がいくつかありました。初の非コンシューマ機用ゲームであり、初の基本プレイ無料(F2P)ゲームであり、ローレベル言語で書かれていない(C++)初のゲームでした。作品の完成度をInsomniacの水準まで高めたり、新たな開発環境およびツールパイプラインを習得したりするのに労力を要しました。慣習的なFlash開発の手法に沿って進めようとしたので尚更でした。
Joe Valenzuela(ツイッター: @valenzu )が「Outernauts」の開発に伴った技術的なハードルを解説し、従来型のコンシューマタイトル開発との差に焦点を当てます。
 
得られる知見:業界内ベストプラクティスの影響の検証、Flashのエンジンアーキテクチャおよびアセット構築でよくある問題の概説、Insomniacで開発して使用しているツールの紹介、ランタイムをターゲットにする場合とアーキテクチャをターゲットにする場合にそれぞれ念頭におくべき事項など。
 
想定聴講者:プログラマおよび技術系スタッフ、とりわけコンシューマ機メインの職歴をもつ方々を想定しています。Flashの経験は不必要で、セッションは初心者にもわかりやすい内容となっています。
 
 

「Hitman: Absolution」の活気ある、息をする世界を可能にしたAI開発
Creating the AI for the Living, Breathing World of Hitman: Absolution
 
講演者:Mika Vehkala (IO Interactive A/S)、Maurizio De Pascale (IO Interactive A/S)
 
概要:3人称視点の暗殺ゲームである「Hitman: Absolution」はアクションとステルスが同等に尊重され、プレイヤーが自由に各ミッションの攻略方法を模索できる作品です。本作のゲームプレイは覗き見、ソーシャル的ステルス、アクション的ステルスおよび戦術戦闘の組み合わせとなっています。これらのスタイル、およびそれらの間の移行は、手応えがあり、楽しくプレイできなければいけません。そのためには複数の状況に対応可能で、プレイヤーの行動に対し説得力のある反応を示すAIが必要となりました。
本セッションでは設計時の各判断の論拠を解説し、「Hitman: Absolution」のAIおよびNPCアニメーションを駆動している複数のソフトウェアレイヤーの実装に関する詳細をご紹介します。
 
得られる知見:サンドボックス型でもあり、映画的なゲーム体験をも提供するゲーム作品用のシステムAIを構築する際のハードルや、具体的な解決方法。とりわけ、全般的アーキテクチャの概説、マルチエージェント・コーディネーションの詳細、ビヘイビアツリーの活用、論理的判断のための離散化ワールド表現(discretized world representation for reasoning decisions)などを扱います。
 
想定聴講者:ゲームAIおよびアニメーションに関与しているか、興味をもっている開発者。基本的なAI関連の概念やテクニックの知識は前提とします。

 

「Hitman: Absolution」での強化学習型キャラクター歩行システム
Reinforcement Learning Based Character Locomotion in Hitman: Absolution
 
講演者:Michael Buttner (IO Interactive / Square Enix)
 
概要:キャラクターの歩行システムは大抵、手作業で作成したブレンドツリーおよび、それらを走らせ、詳細に管理できるようにするゲームプレイコードの大きな塊を用います。本セッションでは「Hitman: Absolution」の人混み内のキャラクターを作成する際に我々が採用した斬新なアプローチについて説明します。アニメーションクリップを適切なデータ構造内にどのように格納したか、ハイレベルのAI目標からアニメーションクリップの選定へと繋げる制御系のアプローチ、およびルート追従型の局面でどのようにシステムを活用できるかをご説明します。システムの開発中に直面した課題にも触れます。
 
得られる知見:引き渡されたハイレベルの入力によって設定された提示目標を達成するための一連のモーションを、モーション断片の配列と選択で作りだす際の、従来とは異なる新しいアプローチの提案。
 
想定聴講者:アニメーションプログラマ、ゲームプレイプログラマ、インゲームアニメーターにとって興味深いセッションとなるはずです。ブレンドツリーなどの業界標準的なアニメーションテクニックの知識は一助となりますが、必須ではありません。
 
 

「Assassin's Creed III」のレンダリング
Rendering Assassin's Creed III
 
講演者:Jean-Francois St-Amour (Ubisoft Montreal)
 
概要:「Assassin's Creed」シリーズの最新作で使用されたレンダリングテクニックをご説明します。「Assassin's Creed III」は非常に広大で多様な世界を舞台としており、夏と冬の両方が描かれるため、多岐に渡る要素で調整を要しました。本セッションでは同作の天候システム、ライティングソリューション、海洋レンダリング、およびマテリアルシステムに言及します。また、本セッションでは、同作の開発チームから見て、DX11のPCハードウェアに移植される現世代タイトルに施せる最も効果:労力比の大きな改善点をご紹介します。
 
得られる知見:「Assassin's Creed III」に採用された新しいグラフィック関連のテクニックの理解、および、以前の同シリーズ作品で使われたものの、これまで話題にしていなかったいくつかのテクニックに関する知識。
 
想定聴講者:グラフィックプログラマ、テクニカルディレクターおよびテクニカルアーティストを想定しています。リアルタイムレンダリング技術の中程度理解を前提とした内容です。