プロダクション
PRODUCTION

 
近年ではゲーム業界の制作面における課題は、コンソール向けAAAタイトルの巨大予算に関するものと、ソーシャルやオンライン、スマートフォンといった急成長分野のゲームに関する新たな課題に別れてきました。本年度のプロダクショントラックは、タイトルの規模や対象範囲に関係なく、ゲーム制作のマネジメントに使える具体的な方策を提示することを目標としています。
 
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EVEオンラインの世界を作る:技術、文化の戦略
Creating the EVE Universe: Technical and Cultural Strategies
 
Andie Nordgren (CCP Games)
 
<直前に新規に発表されたセッションです>

摩擦の起きないバグレポート:時間を有効に使うには
Spend Time Where it Matters: Friction Free Bug Reporting
 
講演者:Raphael Saint-Pierre (Ubisoft)
 
概要:ゲームの制作には紆余曲折はつきものです。どんなに有能なチームでも、多数のバグが発生します。制作過程を可能な限りスムーズなものにするには、効率的な問題報告システムの採用が非常に重要となります。本セッションではUbisoftのチームの多くが開発中に頼りにしているプラットフォームおよびワークフローの概要をご紹介します。自動化されたバグレポート、効率的なバグアサイン、バグの優先度の日毎情報、バージョン安定性レポートなどにより、強制終了であれ、アサートであれ、表示上の不具合であれ、アセットのミスであれ、バグの管理に費やさずにすんだ時間はすべて、良質なゲームの制作に活用できるのです。
 
得られる知見:本セッションでは個々のバグレポートの価値を高めたり、バグ管理によるオーバーヘッドを軽減するための工夫をご提案します。
 
想定聴講者:ツール、自動化およびQAチームのメンバーや責任者、およびテクニカルディレクターにとって最も興味深いセッションとなるでしょう。基礎技術の知識があれば基盤となる概念を理解しやすいでしょう。
 
 

アートソーシングの強みを活かして壮大な世界を作るには
Building Epic Worlds through the Strengths of Artsourcing
 
講演者:Chris Mielke (Epic Games, Inc.)
 
概要:「Gears of War」、「Infinity Blade」、「Fortnite」の各ゲーム世界は紙上のコンセプト案として誕生したものの、Epicの部内スタッフの監督のもとで才能とこだわりある部外アーティストらによって生きた世界へと作り上げられています。これらのタイトルを振り返ることで、高品質のアートワークを獲得するための壮大(Epic)な旅がそのように成功へと導かれたのかをご理解いただけることでしょう。外注先活用を成功させた我が社の秘訣をご紹介することで、これら豊富な受賞歴を誇るタイトルの制作序盤で我々が直面した問題のいくつかを、皆様にはより適切に避けられるようになっていただければと思います。
 
得られる知見:モバイルからコンシューマ機からPCまで、プロジェクトごとに多種多様な要件が伴います。本セッションでは、外注先を採用した開発でも複数のプラットフォームに渡ってアート面でのビジョンの徹底が可能であることをご覧いただきます。Epic所属の開発スタジオはいずれも我が社の外注パートナーと仕事をしています。外注先との連携をスムーズに進めるための独自のテクニックをご紹介します。
 
想定聴講者:クリエイティブな外注先と現在仕事をしているアーティスト、アート系管理担当および制作スタッフ、もしくは外部のアートチームの起用を検討中の方々であれば、大小のゲーム制作に活用できる有用な知見を得られるはずです。
 
 

「Assassin's Creed III」開発における3年間の共同作業
Three Years of Collaboration on Assassin's Creed III
 
講演者:Damien Kieken (Ubisoft)、Marc-Alexis Cote (Ubisoft Quebec)、Hugues Ricour (Ubisoft Singapore) 、Francois Pelland (Ubisoft Montreal) 、Alexander Hutchinson (Ubisoft)
 
概要:「Assassin's Creed」シリーズのゲームを作り上げるのは何百人もの人々の創造性を要する取り組みです。Ubisoftではゲーム作品の品質を向上させ、新たなアイディアを創出し、リスクを分散させるために傘下のスタジオネットワークの力を活用しました。本セッションは「Assassin's Creed III」の開発に参加した5つのスタジオの長が一堂に会してパネルディスカッションを行ないます。ディスカッションではゲームの制作を分担する際のハードル、そして開発過程で試行したいくつかの異なるモデルについてご紹介します。各パネリストはこのような従事形態の経験談、およびそれに伴う利点や難点について共有します。
 
得られる知見:大規模な共同作業に伴うハードル(コミュニケーション、当事者意識の啓蒙)および得られたもの(注力度合いと品質の向上、リスクの分散)について学び、将来、同様の制作モデルに関わることになった場合に注意すべき点を体得できるでしょう。
 
想定聴講者:本セッションではどなたでも歓迎します。内容を理解するのに必要な知識は特にありません。問題解決、開発の管理、コミュニケーション、創造的手法、具体的な裏話などに焦点を当てる予定です。