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2023-5-9 19:25 |
IGDA日本アカデミック・ブログ
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ゲームデザイン大学教科書の到来 (付録: 『ゲームデザインバイブル』正誤表案)
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アカデミック・ブログ主筆の山根です.
ジェシー・シェルによるThe Art of Game Designが今年の夏に『ゲームデザインバイブル 第2版』として、オライリージャパンから翻訳出版された.これはゲームデザインを学ぶ大学生のための教科書として執筆されて改版を重ね、現時点でのゲームデザインの最強の定番教科書である.これまで大学で使えるレベルのゲームデザイン教科書が入手困難だった日本のゲーム教育界にとって、本書の翻訳は江戸時代に『解体新書』が訳されたのと同様に、専門家だけでなく多くの人が新しい学問体系を知るきっかけになるだろう.本稿ではこの教科書(以下、本書)の紹介と今後の展望について述べ、末尾には付録として正誤表案を示す. 著者について著者のジェシー・シェルは、数々の職を経験したあと、ゲーム産業とコラボレーションをする大学のパイオニアだったカーネギーメロン大学ETC(エンタテインメントテクノロジーセンター)に教育専門教員としてスカウトされ、全米トップの大学でゲームデザインを教えてきた.その他にも、過去にはIGDAチェアマンをつとめたり、自らのゲームスタジオSchell Gamesもたちあげて現在に至っている.彼がディズニーでVRアトラクションやオンラインゲームに取り組み、そこで出会ったランディ・パウシュにスカウトされた経緯はカーネギーメロン大学のYouTube講義『最後の授業』でも言及されている(パイレーツ・オブ・カリビアンVRのゲームデザイナ, BVW科目の後継として).そしてNHKのドキュメンタリーにも登場した. 彼の目立った仕事をあげると、VR脱出ゲーム『I Expect You To Die』が300万ドル(約3.3億円) を超える売り上げを記録し、その戦略がゲーム業界以外でも注目された.ゲームタイトルだけでなく、中学生向け教育用XR教材「Happy Atoms」がクラウドファンディングで注目され、2017年に数々の賞を受賞した.これらをつくりだしたゲームスタジオSchell Gamesは100人を超える大規模スタジオに成長し、西海岸・東海岸・カナダとも異なる新たなゲーム産業の地域ハブとなったピッツバーグを代表する企業となった.毎年3月のGDCでカーネギーメロン大学ETCの同窓会が開かれ、彼自身も毎年GDCの複数セッションで講演を続けているゲーム業界の名物教授だ. 「前例がない場所で仕事をする」「異なる分野に挑戦し続けている」というパイオニア的な仕事をしてきたわけだが、そうした彼の仕事の特徴はこの教科書にもみることできる.彼の教科書には特定のジャンルのゲームデザイン方法は書かれておらず、ボードゲームからVRゲームまでさまざまなゲームに共通する理論や構造を扱っている. 本教科書を採用するメリット著者はこの教科書を大学の授業に使ってきた.初版を使った2014年の授業報告はCEDEC2015でも発表した他、第2版にもとづくシラバス(1学期分の授業計画)も公開している.その経験を踏まえて、本教科書をゲームデザイン科目に採用すると以下のメリットがあると考えている.
アカデミックな評価本書は古今東西のゲームデザイン論を集成し体系化しようとする試みであり、そのためにゲームに関係する様々な分野の人がアート・ソフトウェア工学・ナラティブ・マネジメントなど自分の関心に近い章を読むことができる.その例として、本アカデミック・ブログでは「ゲーム研究の成果を教科書で学べるか」という研究者視点で紹介しよう.・ (1)ゲームAI研究: IGDA日本SIG-AIの三宅は2000年の『Counter-Strike』について、2017年に以下のように述べている. 無理矢理に「連続空間」を「離散空間」と見なしているんです。これもロボット技術の分野では60年代からあったのですが、ゲームに持ち込む発想がなかなか出てこなかったんですね。 (21世紀に“洋ゲー”でゲームAIが遂げた驚異の進化史。その「敗戦」から日本のゲーム業界が再び立ち上がるには?)2008年初版の本書には、当然この発想が入っていた.空間のデザインについて、連続空間ゲームを離散空間ゲームにできないか、あるいはその逆を考える(技術を学ぶのではない)課題が入っている.さらにAIでは自動生成ナラティブの博士論文も紹介されている. ・(2)ゲームスタディーズ: ゲーム研究者にとっても本書の内容は読むに値する.「創発型ゲーム」「ユーザの心的状態を含めたゲームメカニクス」など近年のゲーム研究書のキーワードが教科書入りしている.これは研究者にとっては研究トピックを体系の中に位置づけ整理することができる.その一方、これから学ぶ学生は研究書を読んでも「それ教科書で読んだ」と思うかもしれない.だが、大学では研究と教育が同時に進められるのはむしろ普通である.そして学生がいちはやく研究成果に触れることができるトップ校のゲーム開発者教育を本教科書は示している. ・(3)トランスメディア論: トランスメディア論は日本では紹介が遅れたため、マーケティングのメディアミックス論と混同されて、開発現場で使える手法になっていない.しかし欧米ではメディアミックスの手法はトランスメディア論として大学で学べるようになっている.本書にはそうしたトランスメディアの章が含まれ、日本でははじめてのトランスメディアワールドの作り方の教科書としても読むことができる. ・(4)シリアスゲーム・ゲーミフィケーション研究: 井上明人『ゲーミフィケーション』の末尾に「シェル構想」として本書の著者が登場するので、国内のシリアスゲーム関係者は著者の名前は聞いたことがあるだろう.シェル自身はシリアスゲームという分野があるのではなく、人を変えるゲームがあるのだとして「シリアスゲーム」という言葉は使わない.つまりシリアスゲームの知見はあらかじめ本書に含まれている.特にMotivaionの章とTransformational Gameの章は、いま日本語で読めるシリアスゲームのデザインのための最高の教材だ.本書が出版されたあと、シェルのゲームスタジオのスタッフがこれらの章の考え方にもとづいたThe Transformational Frameworkを配布しているので、さらに実践活用に向かいたい人はそちらも参考になる. このように、本教科書は様々な分野の成果が取り入れられており、学生のうちにこうした内容に触れた人材が世界各国で育つ新しい時代の到来を感じさせる. 本書の改善点と今後の展望本書(第2版日本語訳)が出た直後に、原著は改訂第3版であるThe Art of Game Design: A Book of Lenses, Third Editionが発売された.カタログの「New to this edition」を読めば、どの項目が追加されたか一目でわかる. 大きな変更はないが、VR/ARゲーム開発者は第3版も読んだ方がよいだろう.また、ベストセラーの大学教科書=すなわちデファクト教科書が訳されたことで、いよいよ国内のゲームデザイン教育は「どういう知識を教えるか?」という段階を通過して、次の段階について議論する時がきた.どういうカリキュラム設計や授業案で、どういう教育法で行い、その教育をどう評価するのか.そもそもこの教科書を使いこなせる教員をどうやって育てるのか.この話題については、CEDEC2015での発表以来、著者も考えて続けている問題だ.IGDA日本でも話題にする他、国内での議論を深めたい. 付録: 『ゲームデザインバイブル』正誤表案(2019年10月作成、不定期更新)最後に、筆者による『ゲームデザインバイブル』正誤表プロジェクトについて紹介する. 冒頭で述べたとおり本書の翻訳は『解体新書』に匹敵する偉業だが、無理な訳をあてている部分がある.前述したように、この教科書には入門レベルだけでなく研究レベルの内容も入っているため、この教科書を読んで卒業研究に進むと支障が出る可能性もある.そこで修正案をつくり、出版社問い合わせ先に送るとともにIGDA日本アカデミックSIGでも共有した.他にも指摘があればIGDA日本新年会またはオンラインでご連絡いただきたい. コメントの書き方は以下のようになっています. (修正前の語句)/(修正後の語句)という形でマークアップし、コメント文中では以下のタグをつけています.
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2023-3-28 7:34 |
IGDA日本アカデミック・ブログ
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2021アカデミック・レビュー: ゲーム学における最大の論争(上)
![]() ![]() アカデミック・ブログ主筆の山根です.あけましておめでとうございます. 本サイトはゲーム研究・ゲーム教育について情報発信を続けてきましたが,2021年の更新は停滞していました.これはコロナ禍によってIGDA日本の勉強会(および懇親会)が開けなくなったことも大きいですが,本アカデミックSIGにとっては,執筆以外の活動が増えた1年でした.具体的には,「gaming disorder」(ゲーム症,ゲーム障害,ゲーミング障害,執筆時点で公式日本語訳は未定です)についてウェブでの情報発信よりも直接的な社会的活動に終始した1年でした.2021年を振り返るこの機会に,ゲーム研究で最も問題となった概念の一つであるこの議論の経緯をまとめてみます. 2021年,IGDA日本アカデミックSIGの名前を出しての著述活動は以下の通りです.
(この他の仕事として,ゲーム開発者初年次教育と『eスポーツの科学』もありますが,それらは単独での仕事ではないので省略します.)ただしこれらの論争の中では,情報源を示してもその発表場所や学会の意義については説明してこなかったので,それら英語情報をどう信用すればいいのかわからないところがありました.そこで,以下では,これまでの現場での発言では紹介してこなかった論争シーン全体を筆者の視点からふりかえってみます. 香川県条例の論争を構成した多様な参加者香川県のネット・ゲーム依存症対策条例が2020年4月に施行されましたが,本ブログはその背後にあった論争を紹介し,さらにゲーム開発者への無理解をのりこえるために2020年1-2月のパブリックコメント期間に香川県でゲームジャムを開催すると記事にしました.そしてその後パブリックコメントの水増し疑惑で条例の成立過程が全国的ニュースになり,この問題に議論や透明性が欠けていたことが多くの方々に知られるところとなりました. こうして地方議会の問題が全国的な注目を集めるまでには,複数の異なる問題意識を持った参加者が関わっています.コンテンツ文化研究会による情報公開や勉強会,地元メディアやネットメディアが行った調査報道,それ以前から繰り返し警告されてきたゲームの悪影響報道への警戒.こうした異なる視点が香川県条例に持ち込まれていましたが,当方の立場としてはICD-11をめぐる産学の国際的な論争を念頭に置いて議論に参加していました.この国際的な議論についてもこれまで国内での説明が無かったので,以下に整理してみます. 学会での議論gaming disorderの論争でもっともよく知られているのは,第一線の研究者による共同声明とそれに続く誌上討論(ディスカッションペーパー)でしょう.以下に論争の主な記事とそのまとめを紹介します.
これらのgaming disorder論争とその余波を見ると,以下の点が特長的です: (1)オープンアクセスジャーナル(記事が無料公開されるオンライン論文誌)で論争することで世界中に公開されていた.(2)論争のどちら側も単独著者ではなく,国際的なオールスター研究者の共同執筆体制ができている.(3)gaming disorderに慎重な立場のディスカッションペーパーが出たら,米国ゲーム業界団体ESAが速報する体制ができていた. これらの学術論争は当時の日本の学会メディアでは伝えられることはありませんでした.(これは研究コミュニティがこの論争を意図的に無視したわけではなく,後述するように日本では国内ゲーム関連学会の国際化機能が弱く,それに対してオンラインコミュニティの個人的な伝達の方が伝播力が強く学会よりも先に広まってしまうためです.)唯一の例外が,この論争に参加した共著者の一人,久里浜医療センターの樋口院長の学会誌の報告で,そこではWHO採択前に起こったことして,「世界のゲーム業界がこの件に気付いたのです。様々な方法を使って、業界がこのゲーム障害収載の阻止に動いています」と報告されていました.これを読んだときは「アカデミックな大論争を無かったことにするのか?」と思いましたが,確かに特長(3)を相手側から見ると,世界各地のオールスター研究者が共同声明を出し,それをゲーム業界団体が即座に利用するというのは連携が上手すぎてあやしい.世界各地の研究者がゲーム業界団体の手先になって共著論文を書いて,それがゲーム業界の批判キャンペーンの根拠として使われているような印象を抱いても不思議ではないでしょう.しかし,各地の第一人者の問題提起をゲーム産業の策謀であると考えるのは現実的ではないでしょう.むしろゲーム業界が英語論文を正しく活用しているのならそれは傾聴に値するのではないかと本論では考えます. さて,このように多くのの分野にまたがる国際的な議論が行われましたが,結局のところ学者の間で決着がついていない状態でICD-11草案が採択されました.このことは地球規模の混乱を起こすのではないか,そしてICD-11の公式日本語訳ができて有効になる前に,いちはやく独自解釈の予防法を施行した香川県条例は,そのトップランナーだったのだと筆者は考えています. ゲーム・エンタテインメント専門家コミュニティでの議論gaming disorderをめぐる国際的な論争は,上記の誌上討論だけではありません.海外のゲーム開発者の勉強会やゲーム教育の専門家コミュニティでも解説・現状分析・提言が行われてきました.主な英語勉強会・ゲーム開発者団体・日本語情報を列挙します.
これらの学会討論以外の場で行われたコミュニケーションの特長としては,(1)英語圏ではゲーム業界団体(ゲーム会社の団体である)ESAとは別に,ゲーム開発者の勉強会やコミュニティでも問題提起が行われている,(2)声明を出すのも業界団体(大企業の代表)だけでなく,ゲーム開発者教育のHEVGA,ゲーム開発者団体のIGDAといった関連団体が学者の論争を参考にした声明を出している,(3)心理学博士が数多くGDCで講演し,それが無料公開されることで心理学の最前線とゲーム開発者コミュニティがつながっている,(4)研究者の講演の内容も,論争紹介にとどまらず,「なぜ娯楽の中でゲームが叩かれるのか」といった論争相手の分析やパニックを起こす現代社会の分析,職業倫理やデータ活用といった今後の提案まで話題をひろげている,ということがいえます. そして日本との最大の違いは,GDC17講演に見られるように,大手ゲーム開発会社が報酬心理学の博士人材をリクルートしており,脳神経科学でどこまで解明されて,どこまでが仮説段階や誇大広告なのかという知見や,ゲーム企業が今後の解明に協力できるのではないかという提言までも業界内外で(ライバル企業だけでなく)公開できることでしょう. 企業団体と開発者コミュニティとの両輪でまわすゲーム論陣この1年で「日本のゲーム業界は海外のゲーム業界のように情報発信すべき」という意見をよく聞きました.ESA CanadaがWHOとコラボするとか,ESAがワシントンオフィスを構えるといった社会活動は確かに素晴らしい.しかし本稿でここまで見たように,ESAはgaming disorderについて独力で批判を展開したわけではなくオープンアクセス論文に依存しています. 次の記事では,後編として,ゲーム開発者コミュニティのボトムアップの社会活動から学んだことについてまとめます.アメリカで業界団体ESAができる以前にゲーム開発者はモラルパニックにどのように立ち向かったのか,ヒトの脳の仕組みが解明できていない状況で教科書は報酬の心理学についてどう教えるべきか.これらのアメリカのゲーム産業の経験は現代日本にとっても参考になると考えています. |
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2023-3-14 9:26 |
IGDA日本アカデミック・ブログ
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ゲーム学における最大の論争(下): ゲーム産業団体のグローバル化
![]() ![]() 主筆の山根です. 日本がゲーム産業の国際的ネットワークから無視され始めている?今月2022年11月2日に,世界のゲーム業界団体がGlobal Video Game Coalition(GVGC)を立ち上げた.プレスリリースは以下の文章ではじまっている.
(プレスリリース原文) The world's leading video game associations today announced the formation of the Global Video Game Coalition (GVGC) to raise awareness of the positive impact of video game play on players of all ages and to demonstrate the industry's long-standing commitment to enabling players, parents and guardians to engage in responsible game play. このニュースリリースからウェブサイトのコンテンツに目を転じると,プレイヤー・親・子供の世話人に力を与える「責任あるゲームプレイ(Responsible Game Play)」のツールとして,まずコンテンツレーティングについてPEGI, ESRB, IARC, USKが紹介されている. この第一報で気がつくのが「世界の主要なゲーム業界団体」に日本のゲーム業界団体が入っておらず,上記の自主レーティングの例にも日本のCEROは出てこないことだ.東アジアからは韓国のゲーム業界団体が参加しているので,アジアが軽視されているというわけでもなさそうだ.つまりグローバルなゲーム産業の中で日本の業界団体だけが消えているかのように見える.本論の立場では,これは日本がガラパゴス状態で無視されたといった産業界の失敗ではなく,ゲーミング障害論争のグローバル化による避けられない事態のように見える.以下で解説と提言を行う. 世界のゲーム業界団体に起こった変化GVGCはスイスのジュネーヴを本拠地にしているが,この新機関はたんなる広報機関ではなく,ジュネーヴに本部を置く国際機関,特にWHO(世界保健機構)とのコンタクトを意識して国際求人を行っている.新機関と言ってもこの機関はいきなり登場したわけではなく,過去の活動の積み重ねの上に成立している.数年前は世界のゲーム産業団体がスイスに代表を送り込むとは考えられなかったが,バラバラだった各大陸のゲーム産業団体が最近になって行動をともにするようになった.ゲーム産業団体が歩調をあわせてきた取り組みを表1の年表に示す.
こうして見ると,ゲーム業界がゲーミング障害について単独活動から共同活動へと進んだのは2018年初頭のことだと言える.2018年1月には米国ESAの単独声明だったが,3月には欧州・北米・アフリカ・南米・アジアオセアニアの全大陸のグローバル連携へと発展している.ゲーミング障害はアジア諸国からの圧力がかかっていたという証言もある中で,アジアは世界への説明責任が求められていた.その中で韓国のゲーム産業団体が共同声明に加わったのは意義深い. 非英語圏もふくむ世界のゲーム業界団体が短期間で共同声明を出せたのは,ESAが雄弁だったからではなく,学術論文にもとづいているからだろう.1月のESAの声明は,国際論文誌の論争論文(Debate Paper)へのリンクをはって紹介しただけだった.だが3月のグローバル業界団体共同声明では,論文を引用した声明だ.つまり,各大陸のゲーム業界団体は学術論文を起点にして短期間のうちに合意形成している.この学術論文に基づく合意形成のスピードを日本のゲーム業界団体は経験していなかった. 日本ゲーム業界のゲーミング障害への取り組みこれに対して,日本のゲーム業界も独自の意見表明に取り組んでいた.それは独自に学術研究に着手しゲーミング障害への自主的な取り組みを進めるものだ.表1に示すように,先月2022年10月に国内ゲーム業界団体(CESA,JOGA,モバイル・コンテンツ・フォーラム(MCF)、eスポーツ連合(JeSU))が進めているゲーム障害に関する調査・研究の中間発表が報道された.この団体にはアーケードゲーム業界団体や個人ゲーム開発者の団体,教育用ゲームの団体などは含まれていないが,日本のゲーム業界の最大勢力が結集したものだ. 日本の方法は,ゲーム業界団体が日本を代表する専門家チームに調査を依頼するというものだ.しかし新型コロナウィルスのために全国調査を1年延長したという事情もあり,まだ終わっていない.まず2022年10月4日、ゲーム障害調査研究会が記者発表会を行った.これは中間発表に相当するもので,発表会の様子はゲーム系メディアによって以下の報道が行われている.
日本のゲーム産業団体が依頼する研究には,海外ゲーム産業団体(および彼らが引用する学術論文の研究者)とで,以下のような違いがある.
1. 論文が先か,記者会見が先か 論文が公表されるまでには時間がかかる.学術論文誌に投稿したあと,論文誌の編集委員が他の専門家に査読を依頼し,それを通過して初めて掲載される.この時間が足りなかったのか,今回の中間発表では論文を出す前に記者会見している.これはやむを得ない面もあるが,ゲーム産業がこれを根拠にするのは無理がある.論文草稿も公開せずに記者会見するのは今後の論争のお手本にならないので,最終報告会では論文にもとづく発表を期待したい. そこで参考になるのが海外団体の流儀だ.たとえばアメリカのゲーム業界団体ESAがICD-11のゲーミング障害について声明を出した時は声明文はわずか1行,あとは論文情報とオンラインジャーナルへのリンクが主役だった.オンラインジャーナルに論文が掲載されればこうして直接参照したシンプルな声明を出せる.もしも論文掲載が審査中で報告会に間に合わない場合は,まだ採択前の投稿段階の草稿で議論が進められる場合もある.たとえば日本のような自己申告のアンケート調査ではなく「実際のプレイ時間」を使った研究が発表された場合は,採択前の草稿段階で全世界で報道されていた. 2. 「ゲーム障害への対策は必要」と単純化されたメッセージ 今回の中間発表では,報道が「ゲーム障害への対策は必要」と単純化されてしまい,なぜ論争になったのかわからなくなっている.実のところ,我々はまだその障害を理解していない(ただし各委員ごとに詳しい報道を見ると,篠原委員が「ゲーム障害やゲーム依存症といった概念を,やたらに使うことは避けるべきだろう」と解説している).そしてこれまで国内に紹介された科学者の取り組みも報道では無かったことにされている.たとえばWHOのICD-11プロジェクトに日本から参加した臨床心理学の神崎氏は2020年に以下のように報告している. アメリカ精神医学会は、WHOがICD-11を発表した2018年にもゲームに嗜癖性があるか否かについては未だに議論の最中であると改めて表明しており、基本的に一貫しています。 もう一つの単純化されたメッセージは,対策の判断根拠だ.診察もせずに「疑いが何%あるから無視できない」といった自主規制という結論ありきの単純な報道では,失われるものが大きすぎる.「何%以下なら無視していいんですか」「もっと大きな要因がないか調べたんですか」いう検討事項が抜け落ちてしまっている.そうした報道の弊害が出ることも踏まえて,事前の想定問答を用意するなどした方がよい. 詳しくは最終報告書を待ちたいが,すでにゲーム影響論の分野では疑い率以外のリスク分析も日本に紹介されている.たとえば心の健康に及ぼす寄与率(関与率)を比較した健康リスク研究としては,スマホの利用時間が長いほど健康に悪いという俗説に対して,根拠となる査読論文やサンプル数を示しながら「ティーンエイジャーの精神的健康の悪化と技術の関連性は、ジャガイモを食べることと心の健康の関連性と同程度」「メガネをかけていることのほうがマイナスの関連性が大きい」といったリスク要因評価が紹介されている.(スマホ利用と心の健康, 日経サイエンス 2020年4月号).今回の中間発表はそうしたリスク間の評価を行っていないため,最終報告ではリスク評価への言及が加わることを期待している. 3. 日本法人と海外法人の国際ギャップ 上記2点の結果として,日本のゲーム会社は日本の業界団体に所属する日本法人と,海外の業界団体に所属する海外法人とでは異なる振る舞いになってしまっている.表2に現時点での違いを示す.
世界のゲーム業界団体に日本が合わせる必要はないが,日本だけは異なる文化を持っていることを示す必要はあるだろう. 過去の成功体験ここまで読むと日本の業界団体が問題を抱えているように思われるかもしれない.だが本論の視点では,国内ゲーム業界団体がその他の国々のゲーム業界団体とは異なる行動をとったのは,独断専行やミスによるものではない.むしろ過去の成功に基づいた合理的な判断だった.これは単純な問題ではない. かつて日本のゲーム業界団体は,ゲーム業界が健全な業界であることを社会に示すために,世界のレーティング機関を調査し,のぞみうる最高のレーティングのあり方について学界に調査報告を依頼したことがある.その結果は学術書として大学出版局から出版され(当時の書評記事),ゲーム業界団体とは独立した第三者機関としてのCEROの方向性を決定づけた.つまり研究チームへの調査依頼によって,日本のゲーム業界団体は当時の世界でもっとも(政治学的に)望ましい形のレーティングの仕組みを構築・説明できた.今回の専門家委員会への依頼もこうした過去の世界的な成功体験からふりかえると,合理的な判断だったと言える.(前回と同じパターンだとすれば,最終報告は学術書として出版されるかもしれない.) グローバル対応のための提言いま起きているのは,日本のゲーム業界団体が間違ったことをしたわけではなく,成功にもとづく合理的な判断のために,新ルールでは世界から消えてしまうという複雑な事態だ.だがその反面,論争のどこを押さえていなかったか,どこに国内外ギャップがあるのかを特定して対応をとることは可能だと考えられる.以下に国内外ギャップの主なポイントをあげておく.
本記事で見てきたギャップを一見すると,日本のゲーム業界団体はジュネーヴに声を届ける手がかりを失ったように見える.だが,本記事で見たように,日本以外の業界団体が重要論文にもとづく意思表明をするようになったのは最近のことに過ぎない.したがって日本の業界団体もこれまでの有識者委員会報告書にもとづく自主規制を否定したり断念する必要はない.これまでの積み上げに加えて,さらに進行中の学術論争を意思決定にとりいれることは可能なはずだ. 付記: ゲームへの社会的批判とIGDA最後に,本ブログの本家であるIGDA(International Game Developers Association, 国際ゲーム開発者協会)の立場について説明します.IGDAは業界団体(企業の代表)ではありません.企業の枠を超えたゲーム開発者の草の根団体(grassroots community organization)です.IGDAが設立された経緯については,IGDA日本支部のウェブサイトでIGDA20周年記念講演のスライド日本語版と講演内容の日本語訳が公開されています.また,記念講演は日本語でも報道されています(【GDC 2014】ゲームの社会批判に答えるにはプロの開発者団体が必要 ― IGDAの創始者が語る20年間の軌跡).それらから,IGDA設立時の1993年当時は格闘ゲーム「モータルコンバット」が北米マスメディアで問題視され,「ゲームについて知識の無いポリシーメーカー(政治家)が法規制に走ろうとする時,専門家はどうすべきか?」という問題意識が高まったことがわかります.つまり米国のゲーム業界もはじめから社会的な活動をしてきたわけではなく,社会的な論争(特にBrown v. EMA裁判)のたびに説明責任を果たしてきた蓄積の上にいまの活動があります. IGDAの日本支部であるNPO法人IGDA日本が香川県条例に反対コメントを提出したのにもこうした背景があります.ゲームへの社会的批判に対して業界団体とは異なる視点から貢献できることを願っています.(なおこの文章の責任は主筆の山根にあります.) |
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2023-2-15 19:14 |
IGDA日本アカデミック・ブログ
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Games for Change FestivalプレビューとG4Cの歩み
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今年のゲームズ・フォー・チェンジ・フェスティバル(Games for Change Festival) G4C2020 は7月14日(日本時間14日火曜深夜)-16日(日本時間17日金曜早朝)に開催される.特に今年はパンデミックにともない無料オンライン開催が決まり,日本からも視聴参加が容易になった.そこで本稿ではプレビューを行う.
個性的なニューヨークのゲームシーンニューヨーク市はゲーム産業の中でも独自の都市文化を持っている.年間を通じてゲーム関連の様々なイベントが開催されており,ゲーム企業だけでなく,中学高校・大学・美術館・NPO・eスポーツチーム・そして市民がそれぞれゲームイベントに参画することで多様なゲームコミュニティが形成されている.こうしたニューヨークのゲームイベントの中でも最大級のイベントが今回紹介するGames for Change Festivalだ. このG4Cフェスティバルは「サンダンス映画祭のビデオゲーム版」とも呼ばれ,大企業ができないようなゲーム,つまり娯楽以外のために作られたゲーム,小規模だからできるゲーム,非営利だからできるゲーム,そして社会的テーマを扱ったゲームのデモや開発者プレゼンが行われる.ただし大企業でも野心的なゲームはこれまでにG4Cアワードで表彰されており,2018年のゲームオブザイヤーはLife is Strange: Before the Storm,2019年のゲームオブザイヤーはNintendo Labo,参加者が選んだのは Discovery Tour by Assassin’s Creed: Ancient Egyptだった. G4Cのはじまり: Peace MakerもともとG4Cは1人の大学院生の課題作品からはじまっている.カーネギーメロン大学のエンタテインメントテクノロジーセンターはランディ・パウシュの『最後の授業』でも知られるゲーム高度専門家人材育成機関のパイオニアだが,そこで学ぶ学生が課題作品としてPeaceMakerというゲームを開発した.この作品は『ゲームデザインバイブル』第32章で「わたしが見てきた中で最も印象的だった事例」として紹介されている.これはイスラエルからの留学生が開発したゲームで,開発者はイスラエル軍の諜報活動に従事した元士官アシ・ブラクで,除隊後に留学したカーネギーメロン大学でパレスチナ出身の学生とはじめて議論した経験から,紛争解決を目指すゲームを開発したという.そして開発したゲームを販売するだけでなくイスラエルに持ち帰り,国会議事堂で国会議員を対象にしたプレイテストを実施する.この様子はNHK「おはよう日本」ワールドリポートでも報道されている.こうして社会問題を解決するゲームという研究をまとめたブラクは,その後,ニューヨークを拠点にゲームで社会問題を解決するための組織「Games for Change」をたちあげ,シリアスゲーム最大のイベントに成長させた.その後ブラクはG4Cのフロントマンからは一歩引いて,GDC2019期間中に新事業「Games for Change Accelerator」を発表している.これは社会的インパクトを与えるゲーム開発者と,投資家(社会投資家,XR投資家,ゲームの目利き)をマッチングさせるゲーム開発資金サポート組織だ. G4C2020の注目セッションGDC2020は無料配信されるが,視聴には公式ウェブサイトからのオンライン登録が必要だ.以下では個人的に注目しているセッションを紹介したい.・「Educational VR Games: Lessons Learned」日本時間7/14 24:00-24:20 『ゲームデザインバイブル』(原題: Art of Game Design)第32章で変容のためのゲームを提唱したジェシー・シェルによる,アメリカの政府資金助成も受けた歴史教育VRゲームの開発経験談. ・「Winning Against Pandemics: Games as Essential Tools for Planning and Response」日本時間7/14, 25:15-26:15 新型肺炎のパンデミックにおいて,ゲームは外出制限下の「ひまつぶし」だと思われがちだが,パンデミックに勝つためのゲームも存在する.まさにいま求められているゲームの開発者たちが登壇する.パネリストはそれぞれ有名な開発者なので略歴をチェックしてほしいが,彼らのゲームでもっとも知られているのはFoldItだろう.すでに国内でも「ゲームが新型コロナウイルスを止める可能性。ワシントン大学の博士が『Foldit』のプレイをゲーマーに呼びかけ、タンパク質の立体構造を用いたパズルゲーム」(電ファミニコゲーマー2020)などで紹介されているが,新型コロナウィルスに取り組む前の実績を紹介した記事も多い. Nature Video: 研究者やハイスコアゲーマーへのインタビュー(字幕自動翻訳あり) TEDxVancouver - Seth Cooper - Play Games, Solve Disease ・「G4C Chapters: Asia-Pacific Launch Announcement」7/15, 4:35-4:40 G4Cでは,新たにアジア太平洋支部がニュージーランドに開設される.日本のシリアスゲームの国際化ではアメリカに出品することを第一に考えてきた傾向があるが,これからは広域のコミュニティができるかもしれない.新支部についてはオープニングでも発表される予定だが,この枠では新支部長が紹介されるとともに,続くアジア太平洋ミーティングの案内も行われる予定だ. ・「Games and Moral Panic: 2500 Year History」7/17金曜日07:00 ? 08:00 最終日の目玉として,ゲーム研究のリーダーが集結したパネルディスカッションを紹介する.パネリストにはカナダ連邦に任命されたゲーム研究のリーダー,トップ校のデジタルヘルス研究ディレクター,HEVGA会長といったゲーム研究拠点の豪華メンバーがそろっている. 彼らは自分の業績を語りにくるのではないし,いまさらゲームは世界を変えると自明のことを語るわけでもない.前回G4Cフェスティバル2018に集まったメンバーの再結成イベントと言えるが,2018年も「Moral Panic」がテーマだった.つまり,当時起こっていた社会的なパニックとしてのゲームに対する非難(米国内の銃乱射事件やWHOゲーミング障害をきっかけにしたもの)に対して学会トップが結集した行動だった.そこでは「なぜゲームは社会から攻撃されるのか」「ゲームを攻撃する人は何を考えているのか」を踏まえて,ゲームに関わる者はどう語るべきかを問いかけている.このパネルディスカッションは好評を呼び,翌年にゲーム開発者が集まるGDC19にも招かれて,講演動画や資料がオンライン公開されている(この内容はすでに本ブログで2020年1月に紹介している(YouTube動画を日本語自動翻訳字幕で視聴可能).GDC19では近代の焚書やスポーツ 禁止令から続くゲーム焚書について説明していたが,今回は2500年前にさかのぼるということでモラルパニックのスケールがさらにひろがっている. その他この他にも,先日IGDA日本でもウェビナー講演したホデントを迎えたゲーム産業における倫理問題,個人情報にまつわるプレイヤーの権利保護問題,ゲーマー研究の難しさ,ナイアンティックの社会的影響部門長を迎えた都市計画のセッション,そしてテーマごとのFunder(ゲーム開発を公募して出資する機関の代表者)による説明会など,幅広い講演が予定されている.これだけの発表が一堂に会するのはG4Cならではであり,ぜひ講演スケジュールの中に面白そうな題名の講演がないかチェックしてほしい.追記G4C会期中に,ビデオゲーム高等教育連合 HEVGA(Higher Education Video Game Alliance) がフェローの発表を行いました.このフェロー制度は,ゲーム開発者教育を行う高等教育機関のリーダーを表彰するものです.HEVGAは過去にGDC期間中にフェローを発表・表彰していましたが,今回はG4Cでの発表となります.これにより,研究機関でゲーム教育にたずさわるリーダーが,G4Cコミュニティーにも認識されることになりました.ゲーム研究に取り組む研究者と,社会を変えるゲーム開発者とが場を共有することになりました. アナウンス動画: https://www.youtube.com/watch?v=PeowChp4VrI |
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2023-1-29 23:56 |
IGDA日本アカデミック・ブログ
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GGJ23プレビュー: パンデミック後の産学イベント(追記あり)
![]() ![]() 世界最大のゲームジャムイベント,Global Game Jamが1月末から2月第1週にかけて開催される.本ブログではGlobal Game Jamの初期から報告を行ってきたが,本稿では直前プレビューを行いたい. 対面会場が帰ってきたGGJ23の日程は以下の通り: 1月28日10AM(米国太平洋時間PST,日本時間では29日午前3時)に開発するゲームのテーマ発表・基調講演が発表される.それらはTwitchで公開され,2月5日(現地時間)までの間に各会場で48時間のゲームジャムを開催する.会場によっては現地集合せずにオンライン開催する設定も可能になっている.このために各会場ごとに参加申込期限が異なる.最終日である2月5日(ハワイ会場の最終日は日本時間では2月6日)には,ゲームがオープンなライセンスでアップロードされ全世界に配信される. 今年の大きな話題は,なんといっても各地の会場に集まることが解禁されたことだろう.GGJ20以来,パンデミックによりゲームジャム会場を開設するのが困難になり,GGJでもゲームジャム会場閉鎖やオンライン開催への移行が行われてきた.そしていよいよ今回のGGJ23では,コロナウィルス対策を行うことを条件に,オンライン開催だけでなく対面会場を開催できることが全世界に発表された. 日本国内でも,2020年度に「不要不急の外出自粛」「夜8時以降の外出自粛」が実施されたことで各種ゲームジャムの開設が困難になり,オンライン開催に切り替わった.そのあいだ海外では外出制限区域以外でソーシャルディスタンスを保って屋外で開催されるゲームジャムもあったが,それでも以前のように数百人のメガ会場はみかけなくなった.日本で小規模なゲームジャムが開かれるようになったのはさらに遅れて2022年度からで,医師が常駐する地方会場開催のような試みがIGDA日本のライトニングトークでも紹介されている. そうした試みを経て,今回のGGJ23で全国各地でオンライン・オフライン会場が開設されることになったのは感慨深い(原稿執筆時点では,北海道から沖縄まで14会場). 国際化するGGJと東アジアからの貢献GGJでは主催者が立ち上げた非営利企業「Global Game Jam」も組織化され,米国法人の常勤スタッフだけでなく,国際ボランティアチームが結成されている.そしてこれまでGlobal Game Jamの会場をとりまとめてきた各地域のコーディネーターに加えて,全体のディレクター職も各地域から任命されている.我々と関係の深い東アジアからは,GGJ 2022-2023 Executive Committee にIGDA台湾のJohnson Lin氏が,GGJ Board of Directors にはUnity日本法人の大前広樹氏が加わっている. 特に大前氏はGlobal Game Jam 2011から参加して,Unityを使った学生とのチーム開発ふりかえりを共有してくれたので(IGDA日本勉強会,GTMF 2011など)日本のゲームジャムシーンたちあげに大きく関わってきた. GGJ23国内会場に向けてGlobal Game Jamの会場募集はまもなく締め切られ,多くの国内会場は公式ウェブサイト(英語)とは別に事前登録が必要であり,申込方法が会場ごとに違うだけでなく,申込〆切や開会式の日時も会場ごとに異なっている.国内会場も多様で,札幌市産業振興センター で開催される札幌会場(対面定員120人)や八王子の東京工科大学会場(オンライン定員100人)といった大会場から,お寺の畳の間で開催される瀬戸内会場,薪ストーブ小屋で開催される奥多摩会場(すでに募集終了)など,規模や施設もさまざまで,さらに英語でも参加できる第二言語ありの会場もあれば,日本語のみの会場もある.対面参加とオンライン参加を選べる会場もあれば,対面参加のみの会場もある.興味のある方は,さまざまな会場の個性を調べてほしい. オンライン勉強会を企画しているコミュニティもある.たとえばGGJ瀬戸内会場in香川を開催予定の岡山Unity勉強会は,2023/01/21(土)にゆるもく勉強会を開催し,その中でGGJ勉強会も開催予定だ.(GGJ瀬戸内会場の昨年の勉強会の録画は公開されている.今年は質問への回答中心になる見込み.) (追記1) 1月19日(木)にも,IGDA日本でオンラインセミナー「Global Game Jam 2023 直前配信/日本全国の3D都市モデルを活用してゲームを作ろう!」が開催され,国土交通省が進める3D都市モデル「PLATEAU(プラトー)」のゲームエンジン利用についての講習が行われる. またIGDA日本では,ボランティアスタッフ運営の日本語ウェブサイト,新年会(1/21) ,SNSハッシュタグ#GGJJPなどで情報共有を支援していく. (GGJ期間中にIGDA日本のSIG-地方創生セミナー(2/03) も開催されるが,GGJと勉強会との両立も不可能ではない.希望職種アンケートを実施して事前にチーム分けを決めるポリシーの会場であれば,夜から遅刻参加できる会場もある.) (追記2) 日本国内の会場がでそろったが,この他にも海外会場へオンライン参加する取り組みも行われており,たとえば京都コンピュータ学院専門学校では,学生が姉妹校のロチェスター大学のオンライン会場に登録している. 付論: ゲームジャム発の研究コミュニティ最後に,アカデミック・ブログの観点から,GGJ発の学術活動の話を. さらにGlobal Game Jamの研究者コミュニティが国際会議FDG2013で「Global Game Jam Workshop」を開催し,そこからうまれた国際会議ICGJが継続して開催されることで,GGJはゲームジャムのアカデミックな議論もリードしてきた. そうしたGGJ/ICGJの研究コミュニティがGGJ直前に入門書を出版した: Game Jams ? History, Technology, and Organisation(2023).序文と後書きのPDFファイルは無料でダウンロードできる.謝辞には日本人の名前もあがっており,地域コーディネーターをつとめてきた九州大学の金子氏(Kosuke Kaneko)や研究活動をしてきたIGDA日本の山根(Shinji R. Yamane)の名前が載っていた(事前に本人への連絡が無かったので驚いた).ただし,貢献が掲載されたことを喜んでばかりもいられない.もしもゲームジャム研究に世代継承がなければ,個人が忙しくなったら途絶えてしまうだろう.パンデミック期間中に減少したゲームジャムでの人材育成や世代継承の機会を強化していくことが必要だろう. (山根信二) |
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2023-1-24 6:36 |
IGDA日本アカデミック・ブログ
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2022年アカデミック・レビュー
![]() ![]() 主筆の山根です.これまでゲーム研究や高等教育で大きな出来事があった年は年間レビュー記事を書いていましたが,このところ本ブログではICD-11論争や香川県条例といったリアルタイムの社会問題にリソースを割いていたためにアカデミックなふりかえりが止まっていました.そこで,ここ2, 3年間をまとめてゲームのアカデミックな話題をふりかってみたいと思います. 2020年から2022年にかけて,ゲーム研究の出版は国内外でもりあがりました.
ゲームの学術出版動向: 欧米編(2020-2022)ゲーム研究書を次々と出版してきたMIT Pressは,相変わらず良質な本を出している.研究者にとって重要なのはトップジャーナル論文誌だが,そういった研究者も学術書籍なしには研究が進まない状況をつくりだしたのはすごい. しかも手当たり次第に乱発するのではなく,第一線の研究者を編集人に配置したシリーズ化路線を進めて突出している. たとえば, 第一人者による手軽な読み物集「Playful Thinking」シリーズ(日本語では『プレイ・マターズ: 遊び心の哲学』(サンプル公開あり )が訳されている), Atari以来のプラットフォームに注目した研究を連発する「Platform Studies」シリーズ, 世界各地のゲーム史を発掘する「Game Histories」シリーズ, コーディングから社会現象まで,ソフトウェア文化を語る「 Software Studies 」シリーズと,シリーズ作はどれもクオリティが高い.これは第一人世代の研究者たちが編集人となって世界中からの投稿を呼びかけているためで,次世代の新しい書き手を発掘するサイクルがうまくまわっている. こうしたMIT出版やラウトレッジといった大手出版社が第一人者を巻き込んで学術書を連発する一方で,新しい分野の研究書を出版する新勢力として台頭してきた出版社もある.その代表として,Oxford University Pressが印象的だった. これまでGames User Research(2018)のようなユーザ調査分析に続けて,ゲームのデータサイエンス本Game Data Science(2021)を出したことで,理工系に強い印象を持っていた.だが,ユタ大学で哲学を教えるC. Thi Nguyenの論集Games: Agency As Art(2020)を出版し,それが2022年1月のアメリカ哲学会(APA)大会でAPA学術出版賞を受賞したことで,総合的な学問としてのゲーム研究の出版社として存在感を増している. 学術出版状況: 国内編国内でもゲームの学術研究の出版物は近年次々と出版されており,新しい出版社も加わった.数年前とはずいぶん状況が変わっている.
(なお,筆者自身も3番目の本の監訳に加わったが,出版社側の積極的な取り組みなしには出版できなかった.その経緯はIGDA日本のライトニングトークで公表している.) 日本語圏では,MIT Pressの様にゲーム学術書を連発することはできない.第一人者を編集人に任命して,世界中から書き手を募るような大規模プロジェクトには,ゲーム研究者の層が厚く,長期的な研究を可能にする研究職ポストが必要とされるからだ.だが日本語圏では,ゲーム研究グループをつくるには研究者層が薄く,ゲームの研究職もわずかなので同じレベルのことはできない.そのかわり,日本では商業誌が学術出版の機能を一部果たしており,研究グループを頼むことなくライターが独力でクオリティの高い記事を商業誌に掲載するという現象も起きている.たとえば三才ブックスのムックや雑誌に真面目な研究が載っていたりするのはその一例だろう. 進む産学連携: SNS時代のプレプリント投稿,データセット公開WHOがICD-11でゲーミング障害を収載した件での英語圏の論争は,香川県条例の提案理由にもなり,過去にも本ブログでとりあげた(2020.2022).これが英語圏で注目を集めた理由としては,論争がオープンアクセスジャーナルで行われ,英語論文がオンライン公開されていたというアクセスしやすさの影響が大きい.つまりこれまでは論文誌に書いても専門家にしか読んでもらえなかったのに対して,オープンアクセスジャーナルでの論争が広くSNSからリンクされるようになった.それだけでなく,まだ審査段階の論文(プレプリントと呼ばれる)が注目を集め,論文査読を通過する前から国際ニュースになるという珍事も起こった.それがオクスフォード大学インターネット研究所のシュビルスキー教授のグループの研究「Video game play is positively correlated with well-being 」だ(日本語記事).ちなみに論文はその後,英国王立協会(The Royal Society)による初めてのオープンアクセス誌Royal Society Open Scienceに掲載されている. これまでゲーム研究の論争は論文誌以外のメディアで起こることが多かったのだが,誰でもアクセスできる論文で展開される論争という,論文とウェブSNSとの両方の長所を生かした論争の時代がゲーム研究においてもはじまったと言える.シュビルスキーはその後もプレイデータにもとづくゲーム影響論を提唱しており,論文だけでなくゲーム会社から提供されたデータセットも公開する実践を行なっている.たとえば,『あつまれどうぶつの森』(北米版)『Apex Legends』『Eve Online』『Forza Horizon 4』『グランツーリスモSPORT』『アウトライダーズ』『ザ クルー2」と異なる企業の異なるジャンルのゲームタイトルについて各社から提供を募り,データセットもレポジトリで公開している(日本語報道). シュビルスキーは来るGDC23でも,「Video Games and Science in a World with Gaming Addiction」で講演予定であり,ゲームには悪い影響があるのかいい影響があるのかという論争を超えてオープンデータにもとづく分析を切り開きつつある. 進む産学連携: 日本発のトップカンファレンス論文(12月)20年以上にわたって産学連携が唱えられてきたが,ゲーム産業の産学連携は一般的なIT分野とは異なる性質を持っている.研究志向の産学連携と人材育成志向の産学連携の二つがかけ離れており,産学がそれぞれ違った夢を見る同床異夢に陥ることが多い.その結果,大学でなければできないような独自性のないプロジェクトや,企業戦略とは無縁のプロジェクトに陥ることも多い.こうした反省から,次世代人材育成志向にフォーカスしたり,研究志向であっても開発現場により近いところで研究したり,あるいは海外の成功例を積極的にとりいれるようになっているのが近年の傾向だと言える.(本ブログも次世代人材育成と海外事例紹介が大きな柱になっている.) こうした中で,今年は海外事例だけでなく日本国内事例も目につくようになった.大学の先端的な研究環境と企業の開発現場の問題解決という距離の離れた二つの方向のどちらも生かしたプロジェクトが出てきている.その代表例が,人工知能のトップカンファレンス「AAAI-23」に採択されたKLabと九州大学の共著論文だろう(九州大学発表,Klab発表).12月の発表には研究者コメントも掲載されており,研究と人材育成の異なるゴールを同時に追求したこと,スーパーコンピュータといった大学環境の必然性についてコメントされている.これらはまさに上記のゲーム産学連携の特色が出ている.また,採択された英語論文も完成度が高く,過去のGDCやトップカンファレンスの達成をふまえつつ,ラブライブの素材を生かした,ゲーム愛がある英語論文になっている(2ページ目で言及されているスクスタのスクリーンショットがいきなり1ページの本文トップに登場したり,謝辞にはスクールアイドルやラブライバーも登場する). ゲーム外交に取り組む海外使節団と受け入れ体制(12月)12月にベルギー王国のワロン地域政府から経済ミッションが来日した.「ミッション」とはもともとは伝道とか布教の意味だが,この経済ミッションでは王室から大学まで数百人の要人が来日した.その全容は記者会見記事に詳しいが,アカデミック領域でも高等教育研究機関の代表が来日して,日本を代表する大学で両国の学長がサインする国際調印式や大学間交流が行われた.東京大学(d.lab)や東京外国語大学はそれぞれ日本を代表する大学として調印式を行なっているが,デジタルゲーム教育研究でも以下の国際交流が行われた.
こうして見ると国を代表する大学の学長クラスの外交に目を奪われるが,ゲーム分野では他の輸出産業と異なり,2カ国の学生限定のゲームジャムが開催された.つまりゲーム分野では次世代を視野にいれた長期的な取り組みとして,大学トップダウンと学生ボトムアップの両方で2国間産学連携事業を進めている.その様子はレポート記事「ベルギー王女も発表授与式に参加した国際学生オンラインゲームジャムが示す未来 」やつぶやき非公式まとめ で知ることができる.国や大使館がゲーム人材育成を支援することを意外と思うかもしれないが,これは短期的な事業は産業界にまかせて,企業や職業訓練校が推進できない長期的な事業を国がやる,という得意分野に特化しているように見える.そしてレポートによれば,この2カ国間ゲームジャムを草の根ボランティアでやりきったのはすごい.しかしこのやり方で他の国々が日本にゲーム外交を申し込んでくるたびにボランティアで対応するのはあきらかに無理がある. ゲーム先進国には,海外から「ゲームを学びたい」という留学生を受け入れる仕組みがあるが,そのために国際教育事業を進めるのは先進国の政府機関の仕事だ. たとえばビデオゲーム発祥の地アメリカではゲーム外交( game diplomacy)は国務省とNPO法人Games for Changeが他国間に対して展開している.それに比べて日本にはゲーム大国としての外交戦略は存在せず,国際交流基金が日本ゲーム産業史のオンラインセミナーを開いた程度だ.ゲームジャム外交についてはボランティアが活躍したが,持続可能な長期戦略に向けて日本政府・地方自治体も先進国のゲーム外交への取り組みを調べて,市町村や産学官の壁を超えたオールジャパンの備えをしておく必要がありそうだ. おわりに上述したように,ゲーム研究では,学術出版を通じて,第一世代が編集人になって次世代を起用する世代継承が国境を超えて進行している.日本語圏だけではそのような研究者層は形成できないが,新たな国内出版社が参入したり,日本発の産学共著のトップカンファレンス論文が出たことは今後につながるニュースだった. また,ゲーム人材育成においては海外使節団を迎えるという事業を(一部はボランティアで)実現できたという飛躍の年でもあった.今後は,持続可能な体制づくりが課題になるだろう. |
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2016-4-27 1:26 |
y_miyakeのゲームAI千夜一夜
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人工知能のための哲学塾 (第零夜+全五夜)の全資料
![]() ![]() 人工知能のための哲学塾 (第零夜+全五夜)の全資料です。ご活用ください。 コミュニティページ 第零夜 「概観」 第一夜 「フッサールの現象学」
第二夜 「ユクスキュルと環世界」
第三夜 「デカルトと機械論」
第四夜 「デリダ、差延、感覚」
第五夜 「メルロ=ポンティと知覚論」
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2015-6-27 1:27 |
y_miyakeのゲームAI千夜一夜
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WEB+DB に坂上卓史さんの「ゲームルールの作り方」
![]() ![]() http://gihyo.jp/magazine/wdpress/archive/2015/vol87 今月号の WEB+DB には坂上卓史さんの「ゲームルールの作り方」が掲載されています。 坂上さんは現役のアナログゲームのデザイナーで、デジタルゲームとアナログゲームの違いや、ゲームでキーとなる概念(おそらく自分でみつけるだけで数年は要するような)を平易に解説されています。 前半はコンセプトとキーワードですが、これだけでも、さまざまな着想が得られるでしょう。後半は一転して、実践的な内容で、ゲームコンセプトの作成、ゲームデザインの作成、そしてテストプレイを含めて完成へ至るまでの道のりを書かれています。 欲を言えば、第一章は「競り」「ブラフ」「交渉」「生産」などのキーワードを散りばめているので、具体的に代表的なゲームと写真があれば良かったと思うのですが、出すとそれぞれのゲームを説明しないといけないし、おそらく誌面やいろんな都合で省略せざるを得なかったのでしょう。 第二、三章は圧巻で、ご自身のリリースされた「ART OF WAR」というカードゲームを題材に、実際のゲームデザインの過程をつぶさに解説されています。このような実践的な過程、かつその製作者自体が記述される例は少なく、たいへん貴重な記述となっています。 また過程だけでなく、陥りがちな罠などに対する注意や、押さえなければならないポイントが明確に記述されていて、全体として実践的価値の高い記事となっています。一読されることをお薦めします。 |
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2015-6-4 2:36 |
IGDA日本IF
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IGDAスカラーシップ for CEDEC2015 & TGS2015
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申し込み https://goo.gl/tlZafZ
締め切り 7月6日(月) 概要国際ゲーム開発者協会(IGDA)では、ゲームディベロッパーズカンファレンス(GDC)やE3といった世界の主要ゲームイベントに対して、スカラーシップ(奨学生)プログラムを実施し、幅広い層を対象に参加サポートを行っております。今年も一般社団法人コンピュータエンタテインメント協会(CESA)のご協力を受け、国内においてもコンピュータエンタテインメントデベロッパーズカンファレンス(CEDEC)、東京ゲームショウ(TGS)において、同様のプログラムを開催できる運びとなりました。 IGDA日本はIGDAの協力のもとで全世界のスカラーシップ志望者に対して募集を行い、選抜を実施します。合格者にはCEDECのレギュラーパスか、東京ゲームショウの参加権を授与いたします。また、協賛企業によるスタジオツアーなどを計画中です。 CEDECは日本最大級のゲーム開発者向け技術カンファレンスで、東京ゲームショウはアジアNo.1をめざすゲーム見本市です。これらのイベントに参加し、同世代の奨学生と交流することを通して、たくさんの刺激を受けていただければ幸いです。 ■コース1:CEDEC 8月25日(火) スタジオツアー 8月26日(水) CEDEC参加 8月27日(木) CEDEC参加/デベロッパーズナイトパーティ参加 8月28日(金) CEDEC参加 ■コース2:東京ゲームショウ 9月16日(水) スタジオツアー 9月17日(木) 東京ゲームショウ ビジネスデイ参加 9月18日(金) 東京ゲームショウ ビジネスデイ参加 センスオブワンダーナイト参加/懇親会参加 9月19日(土) 東京ゲームショウ 一般公開日参加 インディーズゲームコーナー参加 9月20日(日)(東京ゲームショウ 一般公開日)自由参加 *スケジュールは都合により予告なく変更される可能性があります。 東京ゲームショウ一般公開日は、9月19日(土)分のみチケットを進呈します。 ■参加特典 スカラーシップに合格した奨学生は、CEDECのレギュラーパスか、東京ゲームショウの参加権が支給されます。 都内のゲーム開発スタジオ数社を訪問し、ゲーム開発風景の見学や、開発者との交流やディスカッションを行います。 ■スタジオツアー協賛企業 2015 CEDEC コース 株式会社Aiming ジープラ株式会社 株式会社たゆたう 株式会社Aiming 株式会社ディー・エヌ・エー 株式会社ランド・ホー ■募集国籍 全世界からイベントごとに9名ずつ、合計18名の奨学生を募集します。 ■備考 ・CEDECと東京ゲームショウの双方を、同一人物が応募することはできません。 ・過去のCEDEC&TGSスカラーシップ合格者は応募できません。 ・会場までの交通費、宿泊費、食事など、滞在に必要な出費は自己負担となります。 ・スタジオツアーは諸事情によりキャンセルになる場合があります。その際もパスと参加権はご提供いたします。 ・すべての参加者は参加後、日本語または英語による体験レポートを提出いただきます。体験レポートはウェブサイトで掲示されます(例はこちら) ・すべての参加者は参加後、アンケートに協力いただきます。アンケートは協賛企業・団体に送付されます。 募集要項スカラーシップの希望者は、以下の条件を満たすことが必要です。・日本語での日常会話(海外からの参加申し込みにおいても日本語での日常会話力が求められます) ・18歳以上の専門学校生・短大生・大学生・大学院生 ・将来日本のゲーム業界に進みたいという強い意識を持っていること 以上の条件を満たす応募希望者は、 ?アンケートフォームから必要項目を記入してください。 ?学生証のコピーをスキャンまたはデジタルカメラなどで撮影の上、info@igda.jp までメールしてください。その際にメールの件名を必ず「スカラーシップ2015申し込みの件」とし、本文に名前・学校名・応募コース(CEDECまたはTGSのいずれか)を明記してください。 締め切り:7月6日(月) メンター募集IGDA日本ではスカラーシップ実施にあたり、ゲーム業界の開発者の方々に、学生のフォローアップをボランティアで行うメンター(師匠・先輩)を募集します。私たちはメンターの方々に対して、学生と共に行動しながら、ゲーム開発についての質問を受けたり、キャリアについて助言を行ったり、業界内の人脈を紹介するなどして、学生に対する刺激を与えていただくことを期待しています。メンター希望者はスカラーシップ期間中(CEDEC:8月26日-28日/TGS:9月17日-20日)、少なくとも1日(1時間以上)、会場で奨学生に時間を割いていただきます。 メンターご希望の方は、以下の項目をそえて7月31日(金)までに、メールにてご応募ください。 ・名前 ・社名 ・役職 ・業界歴 ・最近の主なタイトル ・携帯電話番号 ・メールアドレス ・Facebookの登録アドレス ・スカラーシップにどの程度時間を割いて頂けるか *メンターにはCEDEC、東京ゲームショウのパスは支給されません。ご注意ください。 協賛企業募集IGDA日本ではスカラーシップ実施にあたり、スタジオツアーにご協賛いただける企業様を募集します。詳細はメールにてお問い合わせください。すべての問い合わせ先はこちら IGDA日本代表 小野憲史(info@igda.jp) |
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2015-6-4 2:30 |
IGDA日本IF
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IGDA Scholarship: CEDEC2015 & TGS2015
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Apply here: https://goo.gl/x1RYVD
Application Deadline: July 6 (Mon) *Japan local time OverviewThe IGDA scholarships programs provides opportunities for students to attend major game development conferences around the world, including GDC and E3.Here at IGDA Japan, we are pleased to introduce a scholarship program for CEDEC (Computer Entertainment Developers Conference) and TGS(Tokyo Game Show). thanks to the generous cooperation of CESA(Computer Entertainment Supplier's Association). Applications are now open till July 6 . Chosen applicants will be given a game studio tour along with the choice of either a CEDEC Regular Pass, or a TGS Business Day Ticket for free. Both CEDEC and TGS are one of the biggest game developers' conferences, in Japan and Asia respectively. Our goal is for the chosen scholars to find both the conferences and their time with other scholars fruitful. Course 1: CEDEC August 25 (Tue) Studio Tour / Convivial Gathering August 26 (Wed) CEDEC August 27 (Thur) CEDEC / Developers Night party August 28 (Fri) CEDEC Course 2: Tokyo Game Show September 16 (Wed) Studio Tour / Convivial Gathering September 17 (Tur) Tokyo Game Show (Business day) September 18 (Fri) Tokyo Game Show (Business day) & "Sense of Wonder Night" September 19 (Sat) Tokyo Game Show (Public day)& "Indie Game Corner" September 20 (Sun) (Tokyo Game Show (Public day)) NOTE: - Each schedules is subjected to change without announcement. - A One day ticket for a Public Day(Sep.19) at TGS will be given to every scholars. Scholarship Details- Either a CEDEC Regular Pass or a TGS Business Day Ticket will be provided.- Scholars will be given a tour of a game studio in Tokyo area, where they will get the opportunity to the studio in action and talk with its developers. - A relevant industry professional will also be assigned to the scholars as a mentor during the event period. Studios Tour in 2015 CEDEC course - Aiming Inc. - GeePlus,Inc. - TAYUTAU K.K.
TGS course
- Aiming Inc.- LAND HO! CO., LTD. - DeNA Co.,Ltd. How many students are participating? A total of 18 applicants will be chosen, 9 for each event. Notes: - Scholars can only choose one conference (either CEDEC or TGS) - former scholars for CEDEC and TGS scholarship can't send any applications. Other scholars (GDC, E3...) will be acceptable. - Associated costs such as travel fare, accommodations, and meals are NOT covered by the scholarship program - The studio tour is subject to cancellation based on the studio’s schedule. However, scholars will still be able to attend the conference they chose. - Every scholars have to write a report in English or Japanese after programs. They will be uploaded on website (check them). - Every scholars have to cooperate with our survey. It will be send to studios which cooperate tours. How To ApplyPlease carefully read through the conditions below before filling out the application form. A link to the application can be found at the top of this entry.Prerequisites (applicants must fulfil the following conditions) - daily conversation skill in Japanese (This program is open for international students but Japanese speakers should have priority for selection) - Applicants must be 18 years old or older - Applicants must be a currently enrolled student in a vocational school or college, or a recent graduate - Applicants must be fully interested in working in the Japanese game industry - Applicants must be a IGDA member (registration can be done, an IGDA membership number is required as part of the application form) Deadline: July 6(Mon) *Japan local time Mentors wanted!IGDA Japan is currently looking for game industry professionals who wish to provide an exciting and fruitful experience for chosen applicants of the scholarship program. Mentors will accompany the scholars during the period, helping them with career advice, introductions to other professionals, or with any questions the scholars may have. Please be aware that mentors are asked to accompany the scholars for at least one hour a day during the event (either during CEDEC: August 26 - 28, or during TGS: September 17 - 19).If you wish to become a mentor for the CEDEC2014 & TGS2014 scholarship program, please email us (contact information at the bottom) with the following details by July 31st (Fri): - Your name - Company name - Job title - Experience in the game industry - Latest title you worked on - Mobile number - Facebook link (if applicable) - Estimated time you can accommodate for the scholars during the event *Please note that mentors will NOT be provided with a CEDEC or TGS pass Is your studio ready for a student tour?IGDA Japan is currently looking for game development companies who are interested in giving chosen applicants a tour of their studio. For more details, please contact us at the email address below.Contact For all queries regarding the program, please contact Kenji Ono (IGDA Japan Chairman) at info@igda.jp . |