ゲームデザイン トラック
Design Track
プレイヤー自律の重要性:決断や選択を通じた持続的な関与の動機付け
The Importance of Player Autonomy: Motivating Sustained Engagement through Volition and Choice
http://schedule.gdconf.com/session-id/826452
Scott Rigby | President, Immersyve
Troy Skinner | Executive Vice President, Immersyve
プレイヤーに対するリサーチにより、自律という心理的体験が、ゲームにおける価値の構築およびプレイの持続の鍵となる要素であることがわかっています。「グランド・セフト・オート」「マインクラフト」「スカイリム」「League of Legends」などの多種多様なタイトルからのデータによると、これらタイトルの成功はこの重要な心理的ニーズを満たしているという点によるところが大きいようです。
このセッションでは「自律による満足」の構造を分析し、それを最適化したりゲームデザインに適用したりする方法を、コアメカニクス、ストーリーの構成および実装、報酬および進捗システムなどの適用可能な側面について考察します。中でも、「自律」を「自由」や「選択」の同義語として片付けるのではなく、より正確に理解することに焦点を当てます。
自律はむしろ自由と選択の両方が提供されており、かつ、それらが制限されている状況で達成されること、また、そのことがゲームの(初期および長期的)訴求力、プレイヤーの楽しさ、およびマネタイゼーションに同影響するのかを説明します。
得られる知見
参加者は豊富なプレイヤー体験データおよびベスト/ワーストプラクティス事例から見識を得て、プロジェクトに自律による満足をより効果的に盛り込むための実用的な知識を身につけられます。また、ワールドデザイン、ストーリー、キャラクター構築、コアメカニクス、アートなど、ゲームデザインの複数の側面で自律性を最適化する方法を知ることができるでしょう。
想定聴講者
ゲームデザイナー、プログラマー、アート担当、ビジネス/経営担当など、応用心理学による訴求力の強化および持続に興味のあるあらゆるジャンルのプロフェッショナル向けです。
子供たちのプレイ:「スカイランダーズ」の世界での、子供相手のプレイテスト
Child's Play: Playtesting with Children in the World of Skylanders
http://schedule.gdconf.com/session-id/825670
Gareth Griffiths | User Testing Lead/User Experience Designer, Activision Blizzard
ゲームの主たる想定ユーザーが子供である場合、プレイテストを実施する際に従来のノウハウだけに頼るわけにはいかず、参加者が意味のある回答ができるように工夫する必要があります。このセッションでは「Skylanders SWAP Force」を例に、子供相手にテストを成功させるためにアクティビジョン社で採用しているアプローチの概要、および、データを収集し、データを解析するために編み出したノウハウを紹介します。
実際のテストからの事例にて、キャラクター作成からレベルデザインまで、異なる年齢の子供たちが多種多様な問題点を指摘した様子を紹介します。テストの記録映像を使い、それらの問題点の概要と、どのように対処したかを解説します。
得られる知見
参加者は子供を対象にした有用なプレイテストを実施するための詳細なノウハウ、および、プレイテストからのフィードバックと、他の情報源からのフィードバックのバランスとりかたについて知ることができるでしょう。
想定聴講者
ゲームデザイナー、ゲーム研究者および子供をターゲット層にしたゲームの制作チームで、子供相手のプレイテストに関する識見と理解を深めたい方々向けです。
シビア寄りの調整:挫折を可能にすることでプレイに重みをもたせる工夫
Make Things Worse: Enabling Setbacks for Consequential Play
http://schedule.gdconf.com/session-id/826370
Patrick Redding | Creative Director, Ubisoft Toronto
ランタイムではプレイヤーとゲームは重度のショックにも耐性をもつ複雑なシステムを形成します。ショックが発生した場合、メカニクス的に深みのあるゲームであるほうが、プレイヤー側にとってリカバリー方法の選択肢が増えます。ユービーアイソフトのPatrick Redding(パトリック・レディング)は、ゲーム体験を有意義なものにするためにはプレイヤーに時々挫折を味わわせるべき、すなわち、続行して成功を収めるためには当面の目標を変更する必要がある状況を体験させるべきだと考えます。
このセッションではRedding(「ファークライ2」「スプリンターセル ブラックリスト」等に関与)が挫折の発生をシステム的に可能にする条件を検討し、プレイヤーがセーブデータをロードしたくなってしまうことなく挫折を起こりやすくするようないくつかのゲームデザイン的方策を解説します。
ステルスゲームは理想的にはプレイヤーが驚異的なAIを相手に緊張感ある鬼ごっこを繰り広げることを可能にするもので、一方で最悪の形だと試行錯誤やミスの余地がほとんどない、不安定な当てずっぽうになってしまうものですが、そこに回復可能な挫折を盛り込むという独特な課題に着目します。
得られる知見
参加者は自らのゲーム作品を、個別のプレイヤー目標が連なったものとしてとらえる方法を理解し、挫折を発生させうるほど大きな目標の飛躍を認識できるようになるでしょう。また、回復可能な挫折を起こりやすくする10項目のゲームダイナミクス、そして阻害する3つのゲームダイナミクスを紹介します。
想定聴講者
非技術的なゲームデザイン関連の内容ですので、主に、ゲーム作品のコアとなるプレイヤー体験を決める立場にいるリードデザイナーの方々向けとなっています。メインストリーム的ジャンルに従事している開発者にとって有意義である可能性が高いものの、あらゆるゲームに通じる命題でもあります。
「どうぶつの森」を飛び出すには
How to Turn a New Leaf at the Animal Crossing
http://schedule.gdconf.com/session-id/828017
General Manager, EAD Software Development Department, Nintendo Co., Ltd.
任天堂には世界的に有名なフランチャイズがたくさんありますが、そのうちの1つ「Animal Crossing(どうぶつの森)」は発売から12年が経ちました。そして、他の任天堂のフランチャイズがそうであるように、最新の3DS版は、当時オリジナル版を遊んだ人からその子供世代にまで遊ばれています。
「Animal Crossing: New Leaf(とびだせ どうぶつの森)」では、オリジナルの64版で目標とされていた「プレイヤー同士の交流を促す」という開発者たちの願いがネットワークによるコミュニケーションで実現されています。
「とびだせ どうぶつの森」のプロデューサー江口勝也氏、ディレクターの京極あや氏が、プレイヤーの周囲の環境からものを提供できるというメリットを生かし、オリジナル版の持つ独特の世界観を守りつつ、以前からの、そして新規のユーザーを共に飽きさせない、新しさと魅力を併せ持つアイデアをどのように生み出しているのか、その今までとは異なる手法について語ります。
二郎はゲームデザインの夢を見る
Jiro Dreams of Game Design
http://schedule.gdconf.com/session-id/827166
ゲーム開発に携わる情熱的な人であればだれであれ、一度は素晴らしいものを作りたいと思うものです。予算や時間の制約なしに、チーム間のしがらみも無く、素晴らしい作品を作りたいという衝動、お金のためでは無い、芸術作品のような、完全性がもたらす純粋な喜びのために。
ゲームをリリースするという事が、多くの場合理想とするビジョンからの妥協を意味するこの現実世界の中で、そう考え、実現しようともがいている人は少なくないはずです。
得られる情報:
開発者達がこの業界に初めて入った時と同じ気持ちになれるよう、再びインスパイア、再び没頭できるように。
こんな聴講者におすすめ:
スピーカーはゲームデザイナーですが、特定の職種をターゲットにしているわけではありません。特にリーダーシップ、高い技術力を持つ方向けです。
<追加発表セッション>
クライムウオッチ2.0: EVE Onlineのポリスシステムの再デザイン
Crimewatch 2.0: Redesigning EVE Online's Policing System
http://schedule.gdconf.com/session-id/825945
Matthew Woodward | Senior Game Designer, CCP Games
(オンラインゲーム内の違反行為を行うユーザーを監視するための仕組みを、どのように刷新したのか、という内容です)
【カンファレンス】プログラミング トラック ハイライト |
GDC2014 日本語情報 |
GDCについて |